総務の仕事をしていると、労務管理や法律的なことが必要になってきます。
おもに労務管理等の側面で準拠すべき法律は、労働基準法や労働安全衛生法がメインになります。
実務をしていくには、ただ単に法律を知っているということは前提条件であり、
どんなことを要求されているのかをよく考えて対応していくことが必要です。
実務家としては、法律だけでなく、政令や監督署からの指針なども参考にすることになります。
例えば、過労死の基準もだんだんと厳しくなってきて、2から6か月平均80時間以上や100時間以上と
なると明らかに過労死ラインだと思います。
最近の事例では、60時間程度の時間外でも労災認定されている事例が多いようです。
それは、パワハラがあったとか、仕事で失敗したとか最近6か月で特異なできごとがあった場合には、
単に時間外労働だけでは判断されなくなってきているからです。
そのため、実務上は上長の安全配慮義務の責任が問われることを想定に、時間外労働は45時間未満に
なるように負荷調整を行うことや、業務量に応じて適正な人員配置をすることなどが必要になってきます。
ただ職場は生き物であり、そう単純ではありません。
ミスにより仕事にリカバリーが必要になるような事態では、通常業務以外にトラブルシューティングのた
に多大な時間を費やすことも想定されます。
しかもそのトラブルシューティングはだれでもできるものでなく、特定の人たちに限定されることもあります。
そうなった時には、通常のオペレーションとは違う状態が起こります。
良いマネージャーは、人の手当ても行い、トラブルシューティングについても主体的に対応することで
トラブルを回避していくでしょう。
一方で、代替要員の手配や、トラブルシューティングをするのに適当な対応ができない事態が起こった時に、
事件や事故につながることがあり得ます。
そうはいうものの、仕事には完全に黒・白と判断できるものだけでなく、グレーゾーンのものもあります。
グレーゾーンがどの当たりで、どこら辺が黒になる領域なのかを判別していくことが大切になります。
そう考えると、黒だったものはなぜ黒になったのかを学んでおくことはとても重要です。
黒を学ぶためには、裁判で負けた事例を解説しているものが役立つと思います。
労務管理は負け裁判に学べ! なぜ負けたのか?どうすれば勝てたのか?
これは、経営側の弁護士の方々が分かりやすく解説している本だそうです。
そんな本が出版されていたんですね。勉強したいと思います。