総務課員のひとりごと

ラグジュアリーマイラー総務課員のひとりごとよろしくお願いします。

なぜ残業時間は減らないのか?時間外規制と年次有給休暇の取得促進

最近、日本の年休取得率が最低レベルとの話もあり、どうなったら
日本企業の年次有給休暇(いわゆる年休)の取得が促進されるの
かっていうことが、ネット上でも話題になっています。

今月、衆議院が解散されて、アベノミクス解散とか言われて、
景気回復、経済成長至上主義をそのままやっていくのかどうか
といことが争点とも見えます。



個人的には、景気は悪いより良いほうが良い。
だけど、世間の景気がよいだけでは生きていけない。
そんな感じもしております。

やはり自分の生活基盤がしっかりして、安定的に雇用されること。
その上で、自分の将来のことを考えることができる、そんな社会が
必要なんだと思います。




それでは、なぜ残業が減らないのか?
それは、全体の仕事量に対して、必要な人員が配置されていないことが
主な原因ではないかと考えています。



バブルの崩壊や、リーマンショックなど不況を経験して、最小の人員で
最大の効果を追求する企業の行動としては、ある程度、日本の企業に
共通するものと考えられます。

そして、成果主義の徹底が、チームワークより個人主義を尊重して、
助け合いなどがやりづらい環境を生んでいるように感じます。

それと企業文化として、残業した人を高く評価する風潮や、帰り辛い
職場の雰囲気もあるのだと思います。




きっと「残業する人間は無能だ」と言われて、長時間残業者の評価が
下がる会社であれば、社員はつきあい残業なんて馬鹿らしくてやら
なくなります。

残業ができない環境になって、期限を切られて仕事をやることを徹底
させられると、短い時間の中で最大の効果を発揮するためには、何を
するべきなのか、自分の生活を防衛をするために、いやでも考えるよう
になります。



同様に年休取得の促進も、与えられた年休を全て消化しないと評価を
下げるとやられたら、いやでも取得すると思います。

本来、有給休暇の取得は労働者の権利であり、会社側に時期変更件は
あるものの、ほぼ労働者が指定することのみで取得が可能なのです。

国が仮に年休取得に対して会社にペナルティーを課すとすれば、
年休取得率の低い企業には、制裁金と企業名の公表や法令違反として
罰せられるなどがあると、大企業でも年休取得促進をやらざるをえなく
なるでしょう。



私が社会人となった1990年は、最後のバブルの状態でした。

平日も夜の10時位まで働くのは当たり前で、その後に職場のみんなで
ご飯を食べに行ったり、お酒を飲みに行ったり、時間外規制も今ほど
厳しくもなく、年次有給休暇の付与も今よりは低い水準でした。

バブルの申し子である私は、新入社員時代には先輩社員から「お前なんて
ぜんぜん仕事ができないのに残業して、残業代もらっているのは、給料泥棒
だよ」とよく言われました。

新人時代と今とでは立場は違いますが、人力で仕事をしなければならない
状態であれば、新人もベテランもさほどの能力差はないように感じています。
もちろん段取り力とか、経験値などはベテラン社員の方が圧倒的にあります。

とはいえ定型的な仕事であれば、総合職の新人男性社員よりも執務系の
ベテラン女性社員の方が、圧倒的に執務能力は高く、早くてよい仕事を
するものです。


私の新人時代は、派遣社員という制度はなく、定型的な仕事は短大や高校
を卒業した、ほんとうに優秀な女性社員ができの悪い私に懇切丁寧に実務
を教えてくれていました。


今の時代は、過去の執務系社員のその役割を派遣社員(事務系の場合には
女性)が主に担っています。

派遣社員は自社の社員とは違いますので、福利厚生の良い会社であれば、
相当に派遣社員と社員との待遇差は生まれます。

派遣社員のようにある一定の条件下で、派遣先での職務遂行を強いられる
人達は、社員とはモチベーションや、社会人として働いている背景も当然
違ってきます。

社員構成が、社員一辺倒から、有期雇用社員、派遣社員もあわせた複合組織
になると、そのマネジメントは画一的にできなくなります。

本来、社員の負荷変動を吸収するために職場内に配置されている有期雇用社員、
派遣社員が、自分たちは社員とは違うという意識から、限定的な仕事の遂行に
なったり、十分活用されないという現実もあるのではないでしょうか。

もっともこれはマネージャー側で職場の情報共有したり、チームワークの大切さ
を浸透させていくことなどで、一定の改善は行えるものです。


働きやすい職場にしていく責任は、やはり職場の舵取りをしている現場管理者
にあります。

管理職の末席を預かるものとして、まだまだ精進していかなければと考える
今日この頃です。


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